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楸邨も、さすがに膨大に俳句を作っているんですね。まったく。

 投稿者:銀河  投稿日:2017年 4月22日(土)22時01分56秒
  http://www5c.biglobe.ne.jp/n32e131/haiku/shyuson0916.html
でみつけましたが、「水音や」は不明。

「暗に湧き木の芽に終る怒濤光」  『雪後の天』
「蟹の視野いつさい氷る青ならむ」 『まぼろしの鹿』
「水音や更けてはたらく月の髪」    ?

      
 
 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月22日(土)21時48分3秒
   伸太さん、一句目を頂きます。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    泡立つてゐる発語本能        り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋      こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河
   食卓に置かれ真珠のネックレス     太
    汝が泣くときの宝石のこゑ      槐
   重信と苑子に夜の訪問者        令
    浪漫渡世遠く秋立つ         庵
   ファザーネン通りをおほき月のぼる   こ
    途絶えがちなる夜寒の電波      り
ナウ お辞儀して太古の汗を拭かずゐる    河
    アンモナイトの生れて大陸      太

 槐さん、雑でお願いします。
 

覆へるとも

 投稿者:伸太  投稿日:2017年 4月22日(土)21時33分22秒
        ファザーネン通りをおほき月のぼる   こ
    途絶えがちなる夜寒の電波      り
      お辞儀して太古の汗を拭かずゐる    河

       アンモナイトの生れて大陸       太
       コンコースから振りしハンカチ

お捌き願います。

いやはや、本歌取りの由来とその考察、時折の閑話休題、
連衆(会衆)の方々の興味深い添文などバラエティーに富んでいて、本当に面白いです。
レベルが高過ぎて、咀嚼するのに時間が掛かって難儀してます。
 

楸邨

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月22日(土)21時01分17秒
編集済
  > どうですか?ゲンクと同等の風格か、より良くなければこれは、効果ありませんね。

 引用した谷川俊太郎との対談『批評の生理』に見られるように、原句を読んだ段階で、自分とはぜんぜん違うことに改めてびっくりしました。そういう読みのエネルギーによって、楸邨の句は大岡信の詩の中に取り込まれているのですね。

 ところで五句のうち二句は『砂漠の鶴』の中に発見しましたが、朝日文庫のその部分は九六八句中三四三句の抄出なので、他の三句の素性が分かりません。ご存じの方は教えて下さい。今のところ素性が分からないのは、「暗に湧き木の芽に終る怒濤光」「蟹の視野いつさい氷る青ならむ」「水音や更けてはたらく月の髪」の三句です。

 銀河さん、お大事にどうぞ。
 

訂正しました。

 投稿者:銀河  投稿日:2017年 4月22日(土)20時31分12秒
  書き込んで大急ぎで外出。帰宅したら、沢山事例が挙げられていました。
加藤郁乎は、加藤楸邨のこと。字面の見間違いと思い込みです。この頃、急に視力が弱って、めは、うっかりみすだったのが、近頃は文字自体が見えにくいという、情けない状態なので、ちょっと危機感を持っています。三句目をさいようしてくださって、どうもありがとう。これが一番気に入っていました。

ゆかりさん、大岡信のマルごと引用。どうですか?ゲンクと同等の風格か、より良くなければこれは、効果ありませんね。
 

和唱達谷先生五句

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月22日(土)18時46分42秒
   せっかくなので、「和唱達谷先生五句」をフルで紹介します。原句の傍丸は行の終わりに一字おいて○とします。
------------------------------------------------------
和唱達谷先生五句

暗に湧き木の芽に終る怒濤光 ○
鳥は季節風の腕木を踏み渡り
ものいはぬ瞳は海をくぐつて近づく
それは水晶の腰を緊めにゆく一片の詩
人の思ひに湧いて光の爆発に終る青

 *

つひに自然の解説者には
堕ちなかつた誇りもて
自然に挨拶しつつある男あり
ふぐり垂れ臀光らしめ夏野打つ ○
受胎といふは 機構か 波か

 *

蟹の視野いつさい氷る青ならむ ○
しかし発生しつづける色の酸素
匂ふ小動物にはつぎつぎに新しい名を与へよ
距離をふくんだ名前を
寒卵の輪でやはらかく緊めて

 *

水音や更けてはたらく月の髪 ○
地下を感じる骨をもち
塩をつかんで台所にたつ
謎の物体が目の奥を歩み去るとき
好(す)キ心の車馬はほのかに溢れる

 *

石を打つ光の消えぬうちに
はてしないものに橋梁をかける
掌(て)から発するほかない旅の
流星に犯されてふくらむ路程
喇嘛僧と隣りて眠るゴビの露 ○

* 達谷先生--達谷山房主 加藤楸邨氏
------------------------------------------------------
 『批評の生理』によれば、

加藤楸邨さんの雑誌『寒雷』の記念号に載せたもので、楸邨さんの句が自然に僕の詩に入って、しかも僕の詩は加藤楸邨の詩の解釈であり延長でもあるといったものをつくってみたい、いわば楸邨の句に対する唱和としてのオマージュ(頌詞)をつくってみたいということで、五つの句を使った五つの詩ができたわけです。

とのこと。この対談の中で大岡信の読みは、俳句の立場からはもはや尋常でないところがあります。この対談は1978年だから「折々のうた」以前ですよね。

「水音や更けてはたらく月の髪」という句は、句そのものが象徴的な色合を持っている。秋の夜更けに月が煌々と照っていて、台所で水音がポトリポトリとしている。そういう秋の夜更けに月が突如として髪の毛を生やして、その髪が家のなかに座っている楸邨さん自身にまで伸びてくるというイメージだと思うんだ。秋の夜更けの妖気がただようような瞬間の感覚を捉えようとした句だというふうに僕はとっている。それで、「地下を感じる骨」というようなイメージが、僕のなかでそれに応えて出ているわけ。(中略)しかしこの僕の読みは間違っていて、ほんとはもっと単純率直な句なのかもしれない。僕に限らず、現代詩人というのは、俳句をときどき深読みしすぎることがあるからね。或る語に感心して読んでいると、それが単なる季語であったりしてね。だけど俳句をやっている人に言わせると、言葉そのものからそういう別の解釈をしていって、その解釈が面白ければそれも俳句としての働きだと言うべきである、と。異端的な意見かもしれないけれども、そういうことを言う人もこのごろはいるわけです。

 

すみません

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月22日(土)17時14分49秒
  ややこしなことになってしまいましたが、三句目を頂きます。伸太さん、雑か夏でお願いします。  

わかりました、

 投稿者:銀河  投稿日:2017年 4月22日(土)16時25分44秒
  とすれば、どうすれば、いいのですか?今回の付け句。ご教示ください。  

楸邨

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月22日(土)15時53分10秒
  ちなみに手許にある朝日文庫の楸邨集をあたると、「ふぐり垂れ臀ひからしめ夏野打つ」は『砂漠の鶴』の中、「北京炎暑」の中の句ですね。昭和十九年の作品です。  

ちょっと違います

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月22日(土)15時31分26秒
   ごめんなさい、銀河さん、発語本能は初折十句目にねじ込んじゃいました。
ちょっと連句の進行ではないところでコメントします。「ふぐり垂れ臀光らしめ夏野打つ」は郁乎ではなくて楸邨です。『悲歌と祝祷』(1976年ね)の中に「和唱達谷先生五句」とあるうちの部分ですね。最後に註があり、達谷先生--達谷山房主 加藤楸邨氏、とあります。
 

覆へるとも、の巻

 投稿者:銀河  投稿日:2017年 4月22日(土)14時50分34秒
編集済
  ファザーネン通りをおほき月のぼる   こ
    夜寒泡立つ発語本能         り


「ナウ 案」
1 行水をうまれしものの手と足に        河
2 ちゅっぱいとかおくしゃくしゃに夏みかん  河
3 お辞儀して太古の汗を拭かずゐる       河


「つけ筋根拠」
「泡立つ発後本能」の「立つ」が打越ですね。でもこのフレーズをどこかで使いたいという前句の執念を尊重して、別の表現になってもまあまあ行けそうなところをさがしたのが私の今回の苦労でした。おかげで、たいへんいいベンキョウになりました。

1、は前の句からのかなり直接的な連想。
三島由紀夫の小説に、産湯のたらいの縁に金波銀波のイリュージョンを見たのが自意識のはじまりだった、という小説(三島『仮面の告白』)の一文があります。大岡信の愛息大岡玲が三島由紀夫賞を受けたこともあわせて、前句にある言葉の発生といのちの誕生の合一の象徴的な意味合いを、転じてみました。

2、も同じ、だが、幼児が得る感覚と発語の一体化された瞬間を承けて。

3は、『悲歌と祝祷』(1967)年のなかに、「組詩」のこころみがあります。
加藤楸邨の一句まるごとくみこんで全体として五行で一篇の詩を作る、というかんがえかたです。かくて、そのような実験的な五行の詩篇がいくつか紹介されていました。これを知ったのは、「現代詩手帖」(昭和61年十一月号)です。

【連載インタビュー・ 大岡信《トピカからはじまる⑩ーあらゆる詩歌が場を得ている言語の共和国へ》】からです。全集所持の諸氏は、より詳しく参照できると思います。以下、その詩作品の一つを引用。(傍線部分が加藤楸邨の句)。

つひに自然の解説者には
堕ちなかつた誇りもて
自然に挨拶しつつある男あり
ふぐり垂れ臀光らしめ夏野打つ
受胎といふは 機構か 波


 「ふぐり垂れ臀光らしめ夏野打つ 加藤楸邨」をまるごと組み込む、大岡の上の原詩には傍点があり、他の4行とは違うことを区別している。


受胎といふは 機構か 波
 

発語本能の泡立ち

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月22日(土)14時09分47秒
   「発語本能の泡立ち」は、『現代詩詩論』の中で以下のように使われています。

----------------------------------------------------
(前略)
激しく生きるということはまず第一に、詩人が自らの内部に強烈な発語本能の泡立ちを感じとるということだ。しかし、発語本能というものは、常に何らかの形で外部から触発されて働くものである。だから、すべての前提条件として、まず彼にはげしい抵抗感を感じさせるものがなければならぬ。しかし現実には、われわれの周囲ではそうした抵抗感を持つものが、しだいに一種垂れさがったような印象を与えるものに変わっているようだ。これを沈滞とよぼうと、相対的安定期とよぼうと、または混乱とよぼうと、現実の事実としては社会全体が病んでいるとしか言いようがない。この時詩人が思想的にいかに健康であっても、彼の感性はこの病毒の影響を最も直接的に蒙るであろう。焦ってこれを拒もうとすればするほど、詩は観念的な独白、あるいはヒステリックな叫びに陥る危険に直面せねばならなくなる。つまり、感性の受ける傷は彼の批評精神をそこねるのだ。従って、おのれの詩人としての宿命を頑なに信じて書ける詩人だけが、たしかな骨組みを持った詩、つまり詩としての普遍性をそなえた詩を書きうるという、真実だが、今日では些か皮肉な現象が起こってくるのだ。今日詩を書くということは実に難しいことである。
(後略)
----------------------------------------------------
 

まとコメ

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月22日(土)13時40分2秒
   ゆうべは体調がすぐれず、とっとと寝てしまいました。まとコメにて失礼します(このあたりパソコン通信以来のボキャブラリーです)。

 私も高校生の頃、中也的なものには惹かれましたが、れいこさんには同姓としての親近感もバイアスが加わっていたのではないでしょうか。御句、「浪漫渡世遠く秋立つ」の「遠く」を地球規模で捉えてベルリンに飛ばし、すばらしいですね。

 槐さん、録画しかけました。情報ありがとうございます。昭和60年頃に三ヶ月くらいのコースでやっていた『詩の世界』みたいなタイトルの番組も再放送してくれるといいのですが…。
 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月22日(土)13時20分46秒
   打越の件ですが、初折十句目と差し替えるという荒技に出ます。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    泡立つてゐる発語本能        り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋      こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河
   食卓に置かれ真珠のネックレス     太
    汝が泣くときの宝石のこゑ      槐
   重信と苑子に夜の訪問者        令
    浪漫渡世遠く秋立つ         庵
   ファザーネン通りをおほき月のぼる   こ
    途絶えがちなる夜寒の電波      り
ナウ

 銀河さん、秋を離れて下さい。
 

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月22日(土)02時44分25秒
  私の句、もろ打越ですね。もろこし。とはいえ発語本能の泡立ちはどこかに入れたいしなあ。暫定このまま行かせて下さい。あとでどこかと差し替えます。  

日曜美術館

 投稿者:  投稿日:2017年 4月22日(土)02時11分7秒
  みなさま

明日(22日)の午後3時から、Eテレで「新日曜美術館」の再放送?で大岡信さんの回が放送されるようです。
追悼特集みたいな感じでの再放送でしょうか。
よろしければ。
 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月21日(金)22時25分27秒
   ベルリン連詩ですね。大岡の詩論に出てくることばで付けてみます。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋      こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河
   食卓に置かれ真珠のネックレス     太
    汝が泣くときの宝石のこゑ      槐
   重信と苑子に夜の訪問者        令
    浪漫渡世遠く秋立つ         庵
   ファザーネン通りをおほき月のぼる   こ
    夜寒泡立つ発語本能         り
ナウ

 銀河さん、秋を離れて下さい。
 

は。

 投稿者:れいこ  投稿日:2017年 4月21日(金)22時01分9秒
  「月あかり」はすでにありますね。
すみません。


ファザーネン通りをおほき月のぼる
満月に向かつて伸びる塔の先
 

いたいけな

 投稿者:れいこ  投稿日:2017年 4月21日(金)21時56分58秒
  少女であったころ。
(いまでは面影もありませんが)
中原中也の詩がだいすきでありました。
いや、それがどうしたなんですが、
コメント中に名前を見かけたので、なんとなく。

   食卓に置かれ真珠のネックレス     太
    汝が泣くときの宝石のこゑ      槐
   重信と苑子に夜の訪問者        令
    浪漫渡世遠く秋立つ         庵

ファザーネン通りを照らす月あかり
満月に向かつて伸びる塔の先


お捌きください。
 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月21日(金)08時43分14秒
   二句目を頂きます。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋      こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河
   食卓に置かれ真珠のネックレス     太
    汝が泣くときの宝石のこゑ      槐
   重信と苑子に夜の訪問者        令
    浪漫渡世遠く秋立つ         庵

 れいこさん、月の座です。よろしくお願いします。
 

覆へるとも

 投稿者:媚庵  投稿日:2017年 4月21日(金)07時33分10秒
      食卓に置かれ真珠のネックレス     太
    汝が泣くときの宝石のこゑ      槐
   重信と苑子に夜の訪問者        令


    野心それぞれ行き合ひの空       庵
    浪漫渡世遠く秋立つ

いかがでしょうか。お捌きください。
 

前衛短歌論争

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月20日(木)22時33分28秒
編集済
   探していたものとは違うのですが、大岡信と高柳重信の出会いについて触れた文章を見つけました(『大岡信著作集 5』巻末の「日本的構造の美意識を探る」(談))。書き写すときりがないので要約すると、『短歌研究』誌が「難解派」短歌をめぐり論争仕立てで大岡信と塚本邦雄の文章を1956年3月に同時掲載し、それがもとで「前衛短歌論争」として歌人、俳人、詩人を2,30人巻き込む大騒ぎとなり、そのときに塚本邦雄の俳句界における同志として座談会に出てきたのが高柳重信で、そのまま親しくなったらしいです。
 このあたり、媚庵さんや槐さんの範疇ですね。面白いエピソードなどあれば、ぜひご紹介下さい。
 

重信といえば

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月20日(木)22時02分13秒
  『大岡信著作集 8』の月報に佐佐木幸綱がこんなことを書いていますね。
-------------------------------------------------------
(前略)
 私の前に高柳宅に現れた人物の名前を、高柳さんはたしか三人挙げられた。加藤郁乎、大岡信、寺山修司であった。当時の高柳さんはアル中気味であったから、対アルコールの強弱が人物評価の唯一の基準だった。寺山修司はまず除外される。私は初対面の日にウイスキー一本半を飲んで大いに株を上げた。
「大岡信というすごい人がときたまあらわれる。飲めば飲むほどに弁舌が冴える。論が鋭くなる。たいした人物だ」。
 これが「大岡信」という名を聞いたはじめてだった。『抒情の批判』一冊を読んでいただけだったが、高柳さんの話を聞き、私はこの名前に親しみとあこがれを覚えた。飲めば飲むほどに冴える、もしかしたら眠狂四郎のような人ではないかしら。端正なまなざしの奥底に秘められた凶暴な野性、招き寄せて斬る殺気。酔った頭で私は勝手な大岡信像をつくりあげていたのであった。
(後略)
-------------------------------------------------------
 じつに古き良き時代という気がします。大岡さん自身が重信との出会いを書いた文章も、ここ数日に目に触れた気がするのですが、どこに書いてあったか忘れました。見つかったらまた触れます。
 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月20日(木)08時53分22秒
   ううむ。俳句からの挨拶句のような趣ですね。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋      こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河
   食卓に置かれ真珠のネックレス     太
    汝が泣くときの宝石のこゑ      槐
   重信と苑子に夜の訪問者        令

 媚庵さん、月の座の前です。雑か初秋っぽいものでお願いします。
 

覆へるとも

 投稿者:  投稿日:2017年 4月20日(木)07時16分49秒
     重信と苑子に夜の訪問者        令

やっと全詩集を借りて来ました。
『地上楽園の午後』の「船焼き捨てし船長へ 追悼」に重信との交遊が書かれています。

夜明けまで飲んでうそぶくめいわくな
 小僧許せし上原のひと

とあります。
渋谷区上原三丁目の家を度々訪れたそうです。
 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月19日(水)23時33分0秒
   槐さん、どうも。真珠から宝石って、ずいぶん直球ですね。二句目を頂きます。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋      こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河
   食卓に置かれ真珠のネックレス     太
    汝が泣くときの宝石のこゑ      槐

 令さん、少し遠くへ飛ばしてみて下さい。
 

遅くなりました

 投稿者:  投稿日:2017年 4月19日(水)23時00分47秒
  ひどい二日酔いのいち日でした。。。
前回はコピペが謎の変換をして失礼いたしました。
ご指摘のとおり、「雨垂れ」ですね。

大岡さんには翻訳もたくさんありますが、岡倉天心とインドの女流詩人の往復書簡『宝石の声なる人に―プリヤンバダ・デーヴィーと岡倉覚三*愛の手紙 (平凡社ライブラリー (221))』が、わたしはとても好きです。
岡倉天心に関する著作も面白くて、はまったものです。九鬼周造がもしかしたら天心のこどもかもしれない、とか、なかなかにスリリングな話があって、天心からつづけて九鬼周造までずいぶん読み漁りました(笑)。

さて、今回はなんのしばりもないのですね。真珠からの受けで「宝石の声」を入れてみたく。

    おおそれみよと揺れる桟橋       こ
    海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河
    食卓に置かれ真珠のネックレス    太

  宝石の声とほくひびかふ
  汝が泣くときの宝石のこゑ

   
 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月19日(水)09時40分48秒
  二句目を頂きます。槐さん、お願いします。  

覆へるとも

 投稿者:伸太  投稿日:2017年 4月19日(水)09時13分24秒
     バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋       こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河

   翻る四股名に黒の無き幟        太
   食卓に置かれ真珠のネックレス

お捌き願います。

今日は、遅くなりそうでしたので
この時間に投稿しました。出来るだけ進行の妨げになら無い様に気には掛けてます。
有難うございます。
 

ううむ

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月18日(火)23時54分17秒
   伸太さん、ちょっとイメージが違います。追悼連句ですが、黒い車も記帳も折鶴もいらない地平で巻いています。もう一句いかがでしょうか。  

覆へるとも

 投稿者:伸太  投稿日:2017年 4月18日(火)22時48分53秒
     バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋       こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河

      嗚咽あり黒き車のクラクション      太
     真摯なる記帳の時を偲びつつ
     折鶴を折箱に入れ折々のうた

お捌き願います。

ちょっとだけ、挙句ではありませんが、
ゆかりさんの気が変わるのを三句目で期待してます。

>槐さんが「野火」を出してきたのは伸太さんの俳号にインスパイアされたのか、
>大岡昇平に導かれたものだったか…。

底流として槐さんに、そういう意図があったとすれば
僕に対する、歓迎の親愛なる気持ちと受け止めて、有り難く思います。

ところで、「野火」は映画化されているみたいなので、機会があったら
先ず、映画から見てみたいと思います。
(本を読むのはどちらかというと苦手なもので・・。笑)
 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月18日(火)21時58分35秒
  二句目を頂くことにします。「折々の」は解禁というか挙句で「○○○○○○○折々のうた」とするのがいちばんふさわしいような気がしてきました。途中で気が変わるかもしれませんが…。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋      こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り
    雪の純白くぐる恍惚         河

 伸太さん、お願いします。ひょっとして一周前で槐さんが「野火」を出してきたのは伸太さんの俳号にインスパイアされたのか、大岡昇平に導かれたものだったか…。
 

覆へるとも

 投稿者:銀河  投稿日:2017年 4月18日(火)11時48分44秒
編集済
      おおそれみよと揺れる桟橋
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ


    空き地の雪をそのおりおりに 銀河
    雪の純白くぐる恍惚     銀河



下記のブログをみつけまして。
   http://privacy2011.blog.fc2.com/blog-entry-69.html

(大岡信 『雪童子』)一篇がしょうかいされています。素敵です。
『日本の現代詩101』(新書館)より。

あ、わすれてました。もっと早く言うべきでした。
「おりおり」は、せっかく言ってくださったので、おりこんでやってみましたが、ここでスルーしたら、どうぞ皆さんに解禁してください。引用の想像力をせばめてはなりません。
 

はい。

 投稿者:銀河  投稿日:2017年 4月18日(火)01時43分21秒
  上と下の瞼を睡魔が・・・、明日、考えますので、ご猶予を。  

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月17日(月)21時59分6秒
     覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
    おおそれみよと揺れる桟橋      こ
   海鳥は下から上にまぶた閉ぢ      り

 出典は「少年」(『悲歌と祝祷』所収)の、<さうさ/海鳥に/寝呆けまなこのやつなんか/一羽もゐないぜ>なんだけど…。

銀河さん、お願いします。雪でもどうですか。
 

れいこさん

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月17日(月)20時52分1秒
   そうそう、『We Are』誌が川柳界を背負っている感さえあった頃、私はなかはらさんに出会いました。
 御句ですが、「地名論」の引用が楽しい一句目を頂くことにします。打越に「英語」があることがやや気になりますが、「おおそれみよ」はナポリ語だし委細構わず行きます。
 次は私です。しばしお待ち下さい。
 

槐さん

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月17日(月)20時45分0秒
   読売新聞社の頃のお話と「地名論」の紹介ありがとうございます。これ、スキャナで取り込みました? 一箇所、人間技ではない誤字がありまして、「爾垂れ」→「雨垂れ」ですね。それはさておき、

おお 見知らぬ土地を限りなく
数えあげることは
どうして人をこのように
音楽の房でいっぱいにするのか
燃えあがるカーテンの上で
煙が風に
形をあたえるように
名前は土地に
波動をあたえる
土地の名前はたぶん
光でできている

のあたり、胸を打ちます。
 

ゆかりさん

 投稿者:れいこ  投稿日:2017年 4月17日(月)18時55分13秒
  銀河さんとは川柳の樋口由紀子さんつながりです。
ゆかりさんとは恒信風つながりですね。
既知のかた、未知のかたが入り混じってる場には
ほどよい緊張感がありますね。

なんかいろいろありがとうございました。

ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵

お捌きお願いします。

おおそれみよと揺れる桟橋
埃及煙草の匂ひ遥かに
空の奥にも亀裂はあつて
 

地名論

 投稿者:  投稿日:2017年 4月17日(月)15時22分47秒
  読売新聞時代の同僚に歌人の島田修二がいて、島田さんとは別の部署で、たしか大岡さんは外報部ですね。

きょう、たまたま仕事で目にしたのですが、「地名論」という詩は改めて読んでもすばらしいです。

地名論

水道管はうたえよ
御茶の水は流れて
鵠沼に溜り
荻窪に落ち
奥入瀬で輝け
サッポロ
バルパライソ
トンブクトゥーは
耳の中で
爾垂れのように延びつづけよ
奇体にも懐かしい名前をもった
すべての土地の精霊よ
時間の列柱となって
おれを包んでくれ
おお 見知らぬ土地を限りなく
数えあげることは
どうして人をこのように
音楽の房でいっぱいにするのか
燃えあがるカーテンの上で
煙が風に
形をあたえるように
名前は土地に
波動をあたえる
土地の名前はたぶん
光でできている
外国なまりがベニスといえば
しらみの混ったベッドの下で
暗い水が囁くだけだが
おお ヴェネーツィア
故郷を離れた赤毛の娘が
叫べば みよ
広場の石に光が溢れ
風は鳩を受胎する
おお
それみよ
瀬田の唐橋
雪駄のからかさ
東京は
いつも
曇り
 

一高といえば

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月17日(月)00時33分29秒
  一高といえば、大岡信が中原中也について書いたいくつかの文章のうちのひとつはこんなふうに始まりますね。
---------------------------------------------------------
 今でもたぶんそうだと思う。僕が三年間を過ごした旧制一高の寮(現在の東大駒場寮)の部屋の白い壁は、どの壁にもおびただしい落書きがあった。おおむねはアフォリズム風の思想的断片語だったが、それらの落書きにまじって、中原中也の詩「湖上」が、ひときわ大きく書かれていた小さな部屋のことをなつかしく思い出す。その部屋は文芸部員が住むことになっていた小部屋で、一高の最後の文芸部員をつとめるめぐり合わせになったことから、僕はそこでひとりで一年間過ごしたのだった。ベッドと机を置けば、それだけでいっぱいになってしまうほどの小部屋で、そのベッドの上に寝そべっていると、ちょうど眼の斜め上に、「ポツカリ月が出ましたら、舟を浮べて出掛けませう。」という「湖上」の詩句が、そこはかとない哀愁を誘いながらひろがっているのだった。
(後略)
---------------------------------------------------------
 なんだか明治時代から地続きな感じで、いろいろな思いが詰まっていて、いいですよねえ。
 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月17日(月)00時10分1秒
   一句目が雰囲気が変わっていいと思います。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令
   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵

 れいこさん、お願いします。
 

覆へるとも

 投稿者:媚庵  投稿日:2017年 4月16日(日)20時23分27秒
        掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令


   バンカラの一高生が辞書を食ふ     庵
   目覚めれば書斎に鰐の繁殖す

むずかしいです。いかがでしょうか。
 

感受性の祝祭

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月16日(日)13時52分4秒
   先に紹介した野村喜和夫の<大岡信は、いわゆる「感受性の祝祭」の世代を代表する詩人のひとりとして登場した>ですが、カギ括弧のついた「感受性の祝祭」は大岡自身のことばなのですね。『蕩児の家系』(1969年、思潮社)に収録されている「戦後詩概観」に「4 感受性の祝祭の時代」という章があります。その「戦後詩概観」は、『現代詩大系』(全七巻、思潮社、1966~1967年)の通巻解説として書かれたものとのこと。こんなくだりがあります。
------------------------------------------
 詩というものを、感受性自体の最も厳密な自己表現として、つまり感受性そのものの「てにをは」(*1)のごときものとして自立させるということ、これがいわゆる一九五〇年代の詩人たちの担ったひとつの歴史的役割だったといえるだろう。それは、ある主題を表現するために書かれる詩、という文学的功利説を拒み、詩そのものが主題でありかつその全的表現であるところの、感受性の王国としての詩という概念を、作品そのものによって新たに提出した。その意味で、一九五〇年代の詩は、何よりもまず主題の時代であった「荒地」派や「列島」派に対するアンチ・テーゼとして出現した。
------------------------------------------
*1…原文はカギ括弧ではなく傍点。

そして谷川俊太郎の詩を引用します。
------------------------------------------
世界の中の用意された椅子に坐ると
急に私がいなくなる
私は大声をあげる
すると言葉だけが生き残る

神が天に嘘の絵の具をぶちまけた
天の色を真似ようとすると
絵も人も死んでしまう
樹だけが天に向かってたくましい

私は祭の中で証ししようとする
私が歌い続けていると
幸せが私の背丈を計りにくる

私は時間の本を読む
すべてが書いてあるので何も書いてない
私は昨日を質問攻めにする           (『62のソネット』・31番)

 このような詩は、日本の近代詩において、かつてほとんど気付かれたことのない方法によって書かれているのである。つまりそれは、感受性そのものの祝祭としての詩なのであって、この詩のリアリティは、かかってその一点にある。さもなければ、この詩の第一連四行のような不条理な言葉の進行は、そもそもあり得なかったであろう。論理的な観点からするなら全くあり得ないこのような表現が、にもかかわらず、あるリアリティをもってわれわれに迫ってくるのは、それが感受性の祝祭としてのコンティニュイティを底流としてもっているからにほかならない。
------------------------------------------

 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月16日(日)13時14分27秒
   令さん、ありがとうございます。大岡さんは専業詩人(?)となる前の一時期、読売新聞社の社員だったのですよね。新聞社でなんのセクションにいたのかは、どこかで読んだかも知れませんが、忘れました。英文といえば、岡倉天心の書簡の流布する日本語訳が誤訳だらけだと、ご自分で訳したものを文学的断章に載せていましたよね。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐
    新聞社にて訳す英文         令

 媚庵さん、お願いします。
 

覆へるとも

 投稿者:  投稿日:2017年 4月16日(日)08時09分13秒
      新聞社にて訳す英文         令

お捌き下さい。
槐さまは素敵な思い出をお持ちですね。
大岡信の授業に他大学から行っていたなんて。
 

戦後名詩選

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月16日(日)02時56分9秒
   思潮社の現代詩文庫特集版として、野村喜和夫、城戸朱理編のすばらしいアンソロジー『戦後名詩選』(I、II)があるんだけど、大岡信はなにが収録されていたかを見てみました。

さわる(『転調するラヴ・ソング』)
地名論(『わが世のいきものたち』)
丘のうなじ(『春 少女に』)
草府にて(『草府にて』)
詩とはなにか(抄)(『詩とはなにか』)

 何年か前にある大詩人が亡くなったときに、ある大歌人が新聞に追悼記事を書いていたんだけど、このアンソロジーに載っていた詩を取り上げ、編者の寸評にかなり影響を受けた記事で、「やれやれ」と脱力してしまったことがありました。それはさておき、このアンソロジーの中で大岡については野村喜和夫が以下のように述べています。
----------------------------------------------------
大岡信は、いわゆる「感受性の祝祭」の世代を代表する詩人のひとりとして登場した。だが、その後の展開を辿ると、大岡信とは詩という多様体に与えられた別名のごとくである。そこにおいては、想像力と批評、歴史と個人、「うたげ」と「孤心」--それら反撥しあう諸力のベクトル合成として詩はたちあらわれ、更新されてゆくのだ。
----------------------------------------------------
 ええと、『記憶と現在』『わが詩と真実』『悲歌と祝祷』など、いくつかの詩集がふたつの概念を対比させるタイトルであることを踏まえた簡潔にして的確な評だと思います(『うたげと孤心』は評論のタイトル)。

 

谷川俊太郎との比較

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月16日(日)02時01分38秒
   ちょうど大岡信を読み返していて、谷川俊太郎のことを思い出していたところです。大岡の「うたのように 1」と谷川の「かなしみ」はどちらが先にできたんでしょうね。
-------------------------------
うたのように 1 大岡信

湖水の波は寄せてくる
たえまなく岩の頭を洗いながら
底に透くきぬの砂には波の模様が……
それはわたしの中にもある
悲しみの透明なあり方として

-------------------------------
かなしみ 谷川俊太郎

あの青い空の波の音が聞こえるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまったらしい

透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなってしまった

-------------------------------
 どっちが先でもいいんだけど、現代詩としてありがちな戦争とか地縁とか血縁とかの暗いどろどろしたテーマからすっぱりと切れている、このふたりのありようが好きでした。

 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月16日(日)01時44分0秒
   おお、すばらしい思い出ですね。
ところで御句ですが、野を焼くから早春になってしまうので、記憶と現在だけ燃やせばいいのでは? 何句か前に媚庵さんの「今朝のうたこそ生の賜物」があるので歌もとっちゃいます。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ 春の野に燃やす記憶と現在と      槐

 これでいかがでしょう。暫定これで進めます。令さん、春を離れて下さい。
 

名残の表

 投稿者:  投稿日:2017年 4月16日(日)00時58分25秒
  わたしと大岡さんとの出会いは、大学三年くらいのときに明治大学の法学部かなんかの「文学概論」的な講義をもぐりで受講していたことであります。他大生でありながら、毎回教室の最前列で受講していました(笑)。
最終日に、授業のあと身分をあかして、その後、卒論で大岡信論をやりたいからと、個人的にいろいろお世話になりました。大岡さんも、知っている限りでは自分を卒論で扱ってくれるのは初めてだとおっしゃってました。
本当は谷川俊太郎との比較論をやりたかったのですが、力が及びませんで、第一詩集の『記憶と現在』論となりました。
ということで、二句目に思い入れはありますが、「野火」は春先ですよね~。苦し紛れの三句目も加え、お捌きを。

 途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太

ナオ 案 春暑し島から島へ船わたる
     野火に焼く歌と記憶と現在と
     記憶から現在までをみどりの日
 

覆へるとも

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 4月15日(土)12時23分16秒
   伸太さん、ありがとうございます。二句目を頂きます。吸引感が心地よいですね。

   覆へるとも花にうるほへ石のつら   大岡信
    ひかりをまとふ木々の囀り    ゆかり
   上海の地番に春の風抜けて      銀河
    摩天楼にて蟹を楽しむ       伸太
   踊るひとつぎつぎふえる月あかり    槐
    孫三たりとのメイル爽やか      令
ウ  校庭に朝顔からみつく木馬      媚庵
    たがひちがひに灯すランタン   れいこ
   森といふ夢の過剰を鎮めをり      り
    窓に記憶を残しさよなら       河
   山男マッキンリーから帰らざる     太
    凍てし月より石を拾はむ       槐
   最大の平面の夢受胎すと        令
    今朝のうたこそ生の賜物       庵
   付喪神つれて質屋の旗の下       こ
    途絶えがちなる電波のふるへ     り
   掃除機に吸ひ込まれゆく花の闇     河
    いそぎんちやくのひと日は過ぎぬ   太
ナオ

 名残の表に入ります。槐さん、最晩春でもう一句春を続けて下さい。

 

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